異星人

久しぶりに高校からの旧友と酒を飲んだ。特別な日だったり他に人がいたり、とかく一人だと酒を飲まない。実は私はお酒が嫌いなんじゃないかと思う時がある。腹を割って話そうとするとみんな酒を交えようとするが、その必要は無い。素面でもそんなことはできる。でも確かに、ああでもこうでもない、と素面だと頭の中で最適な言葉を吟味していく内に何を伝えたかったのか分からなくなる自分がいるから、会話を続けるという意味ではしっかりお酒の恩恵には浴しているのだと思う。

 

昔から何を考えているのか分からないとよく言われた。声の抑揚が無いからじゃないかと思っていたが、実は己を曝け出していないからということに気づいた。その証拠に人と話す時によく腕を組んでしまう。自己防衛の表れらしい。TwitterのAI診断かなんかにさえ、「感情表現がない」と言われるのだから笑える。

 

酒を交わして表面的な会話をするなら殊更、真のコミュニケーションかどうか疑わしい。酒を飲んでもあんま酔わない自分を酔ったと思い込んで、気の赴くままにくっちゃべった方がより人間らしいコミュニケーションなんじゃないだろうか。

 

居酒屋を出ると、秋の風が酔いを醒まそうと頬を撫でる。夜の雑踏の中、街を行き交う人間たちのこれまでの人生や経験を考えると、パンパンの情報量でいよいよ酔いが進みそうだ。結局何が言いたいんだっけ?もう分かんねえな。酒で流し込んだ高級焼き鳥と、シロノワールとマックが腹の中で滅茶苦茶だ。読みにくいだろうけどどうぞよろしく。